森博嗣『工学部・水柿助教授の逡巡』感想

工学部・水柿助教授の逡巡

工学部・水柿助教授の逡巡

 『工学部・水柿助教授の日常』(感想→id:rindoh-r:20041112)の続編。前作ではまだ、水柿くんと森博嗣は似て非なる別人と思えないこともなかったのですが、今作ではもう完全に同一人格といった感触です。それがちょっとつまらなかった。web日記風な何かだったものが、web日記そのものになってしまったと言いますか。作家になった経緯とか、聞いたことある話も多いしね。
 ただ、他のエッセイなんかに比べると、攻撃力10%増しな感じで、そこが新鮮と言えば新鮮。出版業界の慣習の話とか、『困った読者』関係とか、いつもよりもちょっとオブラート薄め。こんな本、よっぽどの森信者しか読まないであろう、というフィールドパワーソースへの信頼か。お金の話も具体的。まあ、一番びっくりしたのは西尾維新ネタが出てくることなんですけども。
 
 評価:【B】