浅暮三文『10センチの空』読了。

10センチの空

10センチの空

「川原敏也は大学生だ。一流とは口が裂けても言えないが、しかし、三流っていうほど酷くもない、そんな木っ端大学の経済学部。今年で四年、さらにいうなら今は夏だけど、就職活動なんてこれっぽっちもしちゃいない。
 平々凡々とした人生を送る川原敏也だが、一つだけ、実に一つだけ他人にはないものがある。彼は空を飛べるのだ。ただし、誰も見てない間だけ、地面から10センチの高さまで、という制限つき。押入れの上の段を整理するときには便利かもしれない。……こんな特技、履歴書に書けるか? つか何の役に立つんだこれ?」
 とまあそんな話なのだが、このあらすじだけ聞いて、中身を色々想像してる間が一番楽しかった。読んでみたら、なんというか爽やかすぎるし素直すぎる。サイコドクター風野春樹さんここで、『誰か芸能人(柴咲コウあたりとか)がほめれば、瞬く間にベストセラーになりそうなタイプの話』と書いてらっしゃるのだけど、これぞ的を射る言葉。ダメダメでした。残念すぎる。
 
 評価:【C+】