「森博嗣が」「止まらない……」

科学とは「違うんじゃないかと感じる」ものではなく、まず事実を素直に認め、そこから始まるものです。
MORI LOG ACADEMY』の掲示板森博嗣の発言より

 森博嗣のブログには掲示板があり、恐るべきことに先生自らレスをなさっている、ということは皆さん当然ご存知でしょうが、その発言がなかなかの森っぷりで萌え萌えです。
 上記のレスは、以前『六人の超音波科学者』内でも触れられていた科学小話、《「長さ三十万キロメートルの棒を使ってモールス信号送れば光より速く情報が伝わるのではないか」「否。棒の片方の端を押し、それによってもう一方の端が動く、という現象は弾性波の伝わりによるものだから、両端が同時に動くわけではない。弾性波の速度を秒速十キロとしても、向こうの端が動くのは三万秒後である」》に対して「違うんじゃないかと感じる」旨を書き込んだ読者に対するもの。ふるえるぞハート(燃え尽きるほどヒート)。

 よく受ける質問なのですが、「〜と書かれているものを読んだのですが」「〜と言う人がいるのですが」などで始まる疑問は、それを書いた人、それを言う人を、何故あなたが信じているのか、何故それを書いた人、それを言う人にその疑問をぶつけないのか、が不思議ですね。「地球は明日滅亡するという本を読んだのですが森先生はどう思いますか?」ときかれれば、「僕はその本を読んでいません」と答えます。

 これもまずまず。日々、しょうもない質問がいっぱい来るんでしょうね。頑張れ森先生。
 で、極めつけ。日記で書かれた《ゼロで割る》関係の話題で掲示板が盛り上がってきたときのレスが以下。

 申し訳ありませんが、ここでは議論をしないように。意見に対する意見は、個人へメールを送って下さい。
 これまで、議論をしようとされている内容はすべて、調べればわかることです。意見を出し合うほどのテーマではありません。

 「意見を出し合うほどのテーマではない」。なんという強力な言葉。皆さんも議論厨に捕まったときに使ってみてはいかが。
 ところで、今日のタイトルの元ネタは麻耶雄嵩『螢』における「螢が」「止まらない……」であって、「駄目だぁーっ! 向日が止まらねーっ!!」(テニスの王子様)ではありません。このことを補記し、筆を置く。