森博嗣『レタス・フライ』読了。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/01/11
- メディア: 新書
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ショート・ショートが五本収録されているが、まあ、これは別段どうでも良い。『刀之津診療所の怪』も、既にメフィストで読んでいたためどうでも良い。語るべきは『ラジオの似合う夜』だ。八十ページ程度の中編だが、間違いない、これは本格ミステリだ。出来の良い本格ミステリだ。明かされない国名、イニシャルのみの登場人物といった伏線がきちんと機能し、真相を匂わせている。つまり、考えるに値する。本格か否か、の判断基準のうちの大きな一つが、考えるに値するか否か、であろう。この作品は信頼できる。みんな頑張れ。
評価:【B+】
関連及び蛇足:
世の中の人は『森博嗣はミステリ作家じゃないから』とか斜に構えるのはいい加減やめたほうがいい。
id:anezaki:20060113より
Vシリーズはもっと研究しないと駄目ですね。現在のところ『夢・出逢い・魔性』までは真回答を見切ったつもりでいるのですが……。Gシリーズも本気で読めば面白いのではないか、という提言。よし、『τ』を読む気になってきたぞ。