『テニスの王子様OVA 全国大会篇 Vol.3』を観たの

 菊丸が己の分身相手にチョークスリーパーをかける回。長期休載があまりに辛いのでつい観てしまった──のだが。
 これがね、予想はしていたけれど絶妙につまらないんですよ。やはりテニスの面白さの重心は許斐剛本人の絵、及び説明しにくいけれどとにかく独特な時間・空間の切り取り方(すべてのコマにオフビートな“間”がある)にあるのだな、と認識した。あの間を表現せずして筋だけ追ってもダメダメですよ。原作至上主義。
 思い返せば劇場版(アニメの方)も、頑張ってはいるけれども、及ぶべくもないね、という感じでした(今ナチュラルにリョーマちんの口癖を使いそうになった。回避)。素人さんが手塚メテオに目を奪われてしまうのは仕方ないことでしょうが、しかし、それはテニスの面白さの本質ではない。そんなものではない。ここを誤解されるのは、非常にもったいのないことだ、と申し上げましょう。そんなものではないのですよ、許斐先生の実力は。
 
 ああでも、同時収録『跡部からの贈り物』はテニプリファン度対決に使えるから重宝しますよ。その道のつわものを三、四人部屋に呼び、画面にキャラが出るたびにその名前・通り名・所有アーツ等を早押し感覚で叫ぶのです。
 「ジャッカル桑原!」
 「『四つの肺を持つ男』!」