浦賀和宏『学園祭の悪魔』読了

学園祭の悪魔 (講談社ノベルス)

学園祭の悪魔 (講談社ノベルス)

 安藤シリーズ第六作。うーむ、プロットが単純なわりに混沌とした印象を受けるなあ。何の話かと問われれば、これもまた正義の味方の話でしょうか。以下、例によって強引な要約を書く。核心に触れるので、未読の方は自身の判断にてどうぞ。

 (ネタバレ反転)正義の味方には正義の仕事の都合上殺しておきたい人がいて、でも罪のない青少年を自分の都合で殺すのはさすがに正義の味方的にどうなのよと思ったところでやって来ましたコペルニクス的転回。「罪のない人を殺して駄目なら先に罪を犯してもらえば良い」。正義の味方は智略を巡らし青少年が罪を犯すよう仕向け、そして実際そのようになったので安心して青少年をブッ殺しましたとさ。正義の味方は他に名探偵とも呼ばれる。(/ネタバレ反転)

 どこで間違ったのかと言えば最初から間違っている。シリーズもの的にはまた一歩後戻りの出来ない道に踏み入った感。
 
 評価:【B】