浦賀和宏『松浦純菜の静かな世界』読了
- 作者: 浦賀和宏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/02/08
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しかし八木くんの鬱屈の描き方は凄かったな。およそ手加減というものがない。
ルサンチマンには文学の香りがするもので、飾ろうと思えばそれらしく飾って書けるもので、そして我々は飾られた作品を好んで読んできたものなのだが、八木くんにはそれが一切許されていない。ただひたすらに醜い。感情移入すればするほど、きっついですわあ。
評価:【B】
森博嗣『ηなのに夢のよう』読了
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/12
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あと毎度お馴染み、赤柳初朗の正体について。今回、また一つ強力な境界条件が提示されたわけですが、もはや「誰だったら僕たちは驚けるのか」という段階に至ってますね。一軍級のキャラはもうすべて否定された。かといって二軍級のキャラ(例えば稲沢真澄とか)ではふーん、程度の感想しか持てないでしょう。
となるとあとは、これまで提示された(と僕たちが思っている)条件に嘘がある、という方向で考えるのが妥当かな。もう一つ、赤柳初朗には何の仕掛けもない、という可能性もわりと濃いように感じる。あからさますぎるんですよね怪しさが。そういうジョークのような気がしてならない。
評価:【C+】