『ロシア紅茶の謎』(有栖川有栖)感想
- 作者: 有栖川有栖,近藤史恵
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/07/14
- メディア: 文庫
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そんな私が何故悪名高い火村先生シリーズを読むことになったのか。人生って面白い(投げやり)。
◆『動物園の暗号』
《と、そこへ森下刑事がやってきた。まだ一課に配属されて半年目のはりきりボーイだ。》
はりきりボーイ! 有栖川先生の底知れないセンスに眩暈を感じる。
暗号はああそうですか、という感じだが(というかダイイングメッセージの種明かしにああそうですか、以上の感想を得たことがあっただろうか)オチは割と気が利いている、と言えないこともない。
◆『屋根裏の散歩者』
《冬の気配を漂わせだした風が吹き、自慢の黒髪を乱した。》
自慢の黒髪! お前は氷帝学園宍戸か! とそんなところばかり突っ込んでいても仕方ない。しかしまたダイイングメッセージか。好きだな。
◆『赤い稲妻』
密室もの。トリックがなかなか良く出来ている秀作。
◆『ルーンの導き』
また。またダイイングメッセージですか。ダイイングメッセージなんてものは多分に補足的な手がかりでしかない、と綾辻行人も言ってるやないですか……。しんどい。
◆『ロシア紅茶の謎』
表題作。勧めてくれた後輩くんは「犯人の心意気に惚れろ!」と言っていたがあまり惚れない。有栖川作品のドラマ部分にはぴくりとも来ないようだ。
◆『八角形の罠』
劇場を舞台に起こる殺人事件。メタ構造の大好きな今どきの推理小説ッ子たる私、リンドウとしましては『全部芝居でしたオチ』を期待したが流石に今更それはなかった。
◆総評
シリーズ始まったばかりでまだキャラが立っていないのか、火村英夫は割と普通でした。もっと酷いキャラ萌えっぷりを見せて欲しいと思います。
「私、火村先生の授業なら受けてみたーい」←某大学で現実に観測された言葉。
評価:【C】