男もすなるジャンプ感想といふものを女もしてみむとてするなり
「いや、君、男じゃん」
というわけで、ジャンプ感想です。
◆テニスの王子様
「意識的に『無我の境地』を扱えるとはな」──もう日本語ですらない文章を何の違和感も持たせずにキャラクターに喋らせてしまうのが許斐剛の48の殺人技の一つ。風林火山も殺人技の一つ。
以前、許斐剛先生の最大の特徴はコマとコマの間に広がる『断絶』である、という話をどこかのサイトで読んだ憶えがあるのですが、今回、リョーマちんが1ポイント目を取ったページと次の零式を放ったページの間に横たわるクレバスはテニプリの連載長しといえど過去最大レベルではないでしょうか。真剣に落丁を疑ってページを数えてしまいましたよ僕は。これはひどい。
◆アイシールド21
なんというか、本当に『引き』の巧い漫画ですよね。
泥門デビルバッツはいつまで経っても完成形にならない。そして完成形に向けて、試合の度に『ご褒美』を用意する。「エイリアンズ戦に勝てたらムサシ先輩が帰ってきてくれる」「試合に勝ち続ければ雪さんが加わってくれる」……。常に適度な緊張感を残しつつ、先を気にさせるわけです。週刊連載の鑑。
◆武装錬金
戦闘はあっさり風味、というのが全体を通しての心掛けかな。アイシールド21も試合シーンの短い漫画だけど、そういうご時世なのかも。
今回はパピヨンに『目的』を与えるエピソードだったのですね。そもそもパピヨンは病から逃れるためにホムンクルスになったわけで、その望みが叶った今はカズキに絡むくらいしかやることがなかったのですが、これでようやく物語に積極的に関われるようになった、と。
しかしつくづく長期連載の見えない展開だなや。
◆シャーマンキング
「いったい何回死にゃあ気がすむんだ?」
全くです。
でもいいんです。好きですから。
しかしパッチソングは思い込みの力、って念能力方式はいくらなんでも……。
でもいいんです。好きですから。