もう何がなにやら
ニコラス・D・ウルフウッドさんは言いました。
「身内に向けられる銃口は、心底胸が冷えるな」
日頃から『人非人』『石の心臓』『オートマータ』などの愛称で親しまれるわたくしリンドウですが、目の前から向けられる悪意には割と堪えました。それでしばらく飯が喉を通らないあたり、私もまだまだ人間らしい心を持っているのだなあと思います。
「それで僕、そろそろ心臓を新しくしようと思うんだ」
「石の心臓を?」
「うん。どんなに硬い石で造ってもね、時間が経つにつれて血管が食い込んで、結局ただの心臓になっちゃうから。定期的に取り替えなくちゃ駄目なんだ」
「ふうん。じゃあ、いつもの病院へ?」
「お盆には帰るから」
「気をつけて。またね」
「うん。また」
(──When you see me again,it won't be me......)
あ、いい加減ファウストVol.3読まなきゃね。