人形は存在理由に悩まない

人形はライブハウスで推理する (講談社文庫)

　『SRC　NARUTO　データ』『SRC　ブラックロッド』のキーワード検索でそれぞれ来られた方がいた。惜しい、惜しすぎる。今一番データ化が楽しいのはテニスの王子様ですよ！
　まあそれはそれとして。しばらく長文（僕にしては）が続いたので。今日はさくっと読書感想文でも。
　我孫子武丸『人形はライブハウスで推理する』
　図書館で見かけたので手を伸ばす。そういえば読んでなかったのである。腹話術師の操る人形が探偵役、という設定をまんま『あやつり左近』にパクられたことでお馴染みの人形シリーズ、その第四巻。
　我孫子を読むのは久しぶりなので（だって本が出ないんだもの。物理的に読めない）少し期待したのだが、これはちょっとダメダメ。
　人形シリーズの魅力といえば『一見ほんわか、だけどサイコ』だと思うんですよ。人形を媒介にしてもう一つの人格と会話する腹話術師なんて有体に言って怖いです。不気味です。その設定の上で、さらに「じゃあ人形を壊したらどうなるか。片方の人格は死ぬのか」なんてことを試してみたり、とにかく毎回ソリッドな部分があった。
　それが今回はどうですか。血痕、じゃなかった結婚するのしないの。そこはメインじゃないでしょ！　事件の方も、別に人形探偵である意味のないものばかりだし……。
　
　評価：【C＋】