恐怖体験

 子どもの頃、僕は自分の体内ストップウォッチにちょっとした自信を持っていた。
 デジタルの時計を見て、秒表示がゼロになると同時に目を瞑る。頭の中で60秒数えてから目を開ける。すると、これがほとんどズレない。精々前後一秒くらいだ。少しづつ長くしていき、五分くらいまでなら相当正確に計れることがわかった。なぜそんなことを試していたのかは今となってはわからないが、まあ、こういうことに時間を費やせるのが幼少期の贅沢さというものだろう。
 で、今日。夜食にカップ焼きそばを食べようとしてキッチンタイマーを使ったのだが、そのカウントダウンを眺めていて僕は大変驚いた。なぜって、『明らかに、僕の体内ストップウォッチよりも速く動いている』。
 
 これが最近感じた一番の恐怖。えと、言ってる意味わかります?