貫井徳郎『慟哭』読了

慟哭 (創元推理文庫)

慟哭 (創元推理文庫)

「……素直すぎる。書き振りがテレフォンだぜ。今日びこんなトリック、百回やってもかかりゃしねえ――素人さんならともかくな」
 というのが僕の読後第一声であったが、まあ、ミステリとしての出来映えを云々する作品じゃないのかもな。ラストシーンにおける犯人氏の台詞に一つ、大変素晴らしいもの(淡々とした言葉で動機の根深さを窺わせるような)があったので、わりと良いものを読んだ気になれた。それでよしとしとこうじゃないか。うむ。
 
 評価:【B】