少なくともネーミングセンスはおかしい。闇雲A子て。

まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事 (祥伝社文庫)

まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事 (祥伝社文庫)

 麻耶雄嵩まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事』読了。
「すっげぇ……下手なとんちみたいな思いつき一つからこのゾクゾクくるラストシーンを導き出したってのかよ……これが『麻耶』……《新本格の末弟》……《推理の平行世界マン・イン・ザ・ミラー》……!」
 改めて恐ろしい男だ麻耶雄嵩。何かが明らかに間違っているのだがそれが何かがわからない、そんな不安感に襲われ続ける130ページ。まさに鏡の国。ミラーサイド。短いので麻耶入門に最適……なのだが、これから読んだら多分他は手にとらない。まったく、お薦めのしにくい作風だ。
 冷静になって、機械的に分類すればきっとバカミス。なのにそれで安心してしまうことを許さない何かが確実にある。あのオチに、僕は感動してしまったのです。気が狂ったと思われても仕方ない。
 
 評価:【B】【心】
 余談だけど、著者近影にはびっくり。普通に男前じゃん! デビュー当時は絵に描いたような工学部だったのに……。髪型って重要。