本日の森博嗣

 工作をしていてよく感じるのは、「運を天に任せるな」という教訓だろう。指先にナットをのせて、狭いところへ差し入れ、なんとかネジを締めようと努力するときがある。何度かナットを落としても、くじけずトライすることがある。そういうのが、運を天に任せた作業だ。それは、努力しているようで、実は違う。明らかに怠けている。そうではなく、ピンセットを取り出すか、ナットをなにかに仮接着するか、専用工具を作るか、少し回り道をすれば、確実性が増す。良い仕事とは、最後の最後まで運を天に任せなかった結果、達成できるものだと思う。
MORI LOG ACADEMY』2006年1月7日より

 以前どこだったかで読んだ、『「頑張ってなんとかする」のが体育会系、「頑張らないで済む方法を考える」のが文化系』という話を思い出した。まあ、これは結構レトリックで押し切ってるところがあって、実際には文化系の中に、頑張りもしなければ考えもしないという怠け者が相当数含まれている。企業が相変わらず文化系を敬遠するのも無理からぬところであろう。何の話?