藤原京『陰陽師は式神を使わない』読了。
- 作者: 藤原京,藤城陽
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/01/25
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 28回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
邪眼シリーズ第五作『霊視』(感想→id:rindoh-r:20051225)の発刊より約十年。沈黙を守っていた雑草作家・藤原京が、このたび集英社スーパーダッシュ文庫にてついに復活と相成った。そのタイトルは『陰陽師は式神を使わない』。全国二千人ほどのオールドファンは一人と残らず狂喜した――がしかし。空白の十年間を『易経』の研究に費やしたという作者のその新作は、『陰陽師の血を引く男子高校生が女子高生を相手に陰陽道の基礎をただひたすらに解説する』、陰陽道版『ソフィーの世界』としか呼びようのない、実に気まずいものであった――。
感想:
世にはびこる『間違った陰陽道』に対する作者の殺気がビンビン伝わってくる。藤原先生は殺る気だ。百人いれば百人の戦いがあるのだな、と少ししみじみした。「奴らを倒すために十年間のトレーニングか」「命令した奴はどこにいる」
ラノベレーベルなので当然イラストページがあるのですけど、全十四枚のイラストのうち、キャラクターなんかが描かれているいわゆる“イラスト”は半分だけ。残りの半分は何かといえば、陰陽道の《卦》を理解するための概念図。硬派だ。硬派だぜあんたら……。
まあ、正しい卜筮を使いたい方に。
評価:【C+】