石持浅海『扉は閉ざされたまま』読了。
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 新書
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しかし。しかし・しかし〜と言いたくなるのは、こんな緊張感のない会話文を延々と読んだのはひさびさっつーか、たった二百ページ少々読むのにこれだけ中座したのは初めてっつーか、要するに読んでて面白くはないからですね。ロジックのみに特化した作品はやっぱり肌に合わないやも。
で、動機。動機は実に異常で、似非ヒューマニストをじっくり十年煮込んだらこんな狂人ができました! といったところ。本気で怖気が走ります。そこに探偵役が『高潔な意志』を見てしまったりするのでもう……。マジか! マジで言っちゃってんのか、お前!?
こんな理由で人を殺す人間は現実にはいない、とはいえ、こんな理由で人を殺したいほど憎める人間はいると思うのですよ。それも結構な数。これこそが、僕にとっての『吐き気を催す邪悪』です。ぞわぞわした。がくがくした。おえっときた。
評価:【C】【心】