思い出し読書感想文 / 森博嗣『封印サイトは詩的私的手記』

 森先生のweb日記、1999年版。Vシリーズや『女王の百年密室』など、僕の最も好む作品群が執筆された時期であり、それらの製作よもやま話が読めただけでも十分以上楽しめた(『女王の百年密室』のタイトルを『女王の密室』に改題してまた元に戻したり。たぶん、『百年』という言葉から漂うSF臭を気にしたんだと思う。森博嗣が、あるは担当編集の人が)。当時僕は十七歳、森作品を追いかけ始める一年ほど前である。
 これは恐らくファンの間では有名な話なのだろうけど、本書で初めて知ったこととして、森博嗣と堀田清成氏(ほったゆみの旦那さん、漫画家)が旧知の仲である、というのがある。それどころか、名古屋で初めてコミケを開いたのはこの二人(の主宰していたサークル)であったらしい。まったく、偉い人は大体若い頃から偉いものである。やれやれだ。
 ほったゆみ氏とも森先生は一度だけ会ったことがあるそうで、『かつてオセロで唯一負けた相手がほったゆみ』なんだってさ。へー。