センチメンタル脳内旅行(無人のサイドカーにまたがって)

 そういえば下北なんたらいうドラマに我らが母校が登場していたらしいですね、とさり気なさを演出しつつ出身大学を明らかにしてみるのはどうだろう。
 サンプルが少ないので比較するのは難しいですけど、絶対評価的に言って、まあそれなりに良い大学だったと思ってますよ。長閑で。ある友人はこれを『羊の大学』と呼び、批判したものですが、僕にはその批判の根幹にある感覚がどうにも理解できず、困惑したのを覚えています。周りの人間が羊ばかりである、ということに憤る理由が僕にはわからなかったのですね。
 今思えば彼女は、自分は狼であり、自分と対等に狩りができる人間がいない、ということに怒っていたんだろう、とわかります。いや嘘。そんなことは当時からわかってた。でもね、それは言葉上の理解であって、感覚的には今でもまったく納得いきません。だってさ、狼なんて、所詮は群れなきゃ狩れない軟弱者じゃん。全然憧れませんよそんなの。
 その点格好良いのは断然虎。単体バトルならライオンにだって勝つらしいし。目指すんなら狼よりも虎だよね。そう、シルバー・スコット・ウォーレンもきっとそう言いたかったのだ、と今気がつきました。

 「そのとき奴は逃げる羊となり、私は追うタイガーとなる」

 ここは追う狼じゃいけなかったんですよ。ゴルフは孤独なスポーツだから。
 動物の喩えを多用すると文章が途端に村上春樹臭くなる、と後輩に指摘されたことがある。あれ以来小説を書いていないけど、別に村上春樹は関係ない。