浦賀和宏『頭蓋骨の中の楽園』読了

頭蓋骨の中の楽園 (講談社ノベルス)

頭蓋骨の中の楽園 (講談社ノベルス)

 今さら気づいたのだけれども、浦賀和宏佐藤友哉に相当影響与えてるっぽいですね。本作の場合、あと二、三回鬱をこじらせると『クリスマス・テロル』(感想:id:rindoh-r:20060218)になる感じ。まあ、そうなる前に引き返してるので、浦賀和宏、よく堪えた! と誉めたくもなります。誉められる筋合はないでしょうが。
 というかですね、投げっぱなし・ジ・エンドで、なるほどこれが浦賀イズムか、だとすると僕にはキツいなーとか思っていた前作『時の鳥籠』の現象が今回、作中の理で完璧に説明されたのが驚きでした。これまでと明らかに方向性が違う。こっちの方が僕は好きです。続きが気になってしまったよ。
 
 評価:【B】