かまいたちの夜×3 雑感

かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相

　実はとっくにクリアしてる。エンディングリストは埋めた。栞も金色（千春じゃないよ）に輝いた。ここまで大体十五時間。以下、簡単に感想を述べる。

• ミステリとしての完成度は非常に高い。犯人の行動原理、またプレイヤーの選択に対するレスポンスの因果関係など、実に筋が通っている。トリックに関しても、地味ながらまあまあなトリックと、ありがちながらまあまあなトリックがある。文句をつけるところは全くない。
  
• ボリュームは少ない。というか『真相編』以外のシナリオがほぼない。かまいたちの夜をミステリではなく、劇団《かまいたちの夜》による定期公演*1と見る向きからすると、これはちょっと許し難い。まあ、『番外編』はあるがね……。
  
• キャラクター・ドラマの部分で、我孫子先生がヤケを起こしておられる。特に香山さんの戯画化は著しい。二次創作のようであった。
  
  • いや、おまけシナリオでキャラが崩れるのは良いんですよ。そもそもセルフ・パロディみたいなものだから。でもそれが《真相編》から既に、となるとちょっとダメダメ。
    
  
  
• 真理が真剣にいらない子。主人公を殺し/主人公に殺される過程でこそこの子の魅力は育つのだなと理解した。常識的に大人しくしてる真理さんになんの価値がある？　殺人犯がうろつく中、深夜に一人で部屋を出てピンチを招くのが貴女に与えられた役割でしょうが！
  

　あれ、なんか不平が多い。こんなつもりはなかった。
　いやね、決して悪くはないんです。ミステリ的には三部作随一。これを軸にして、他シナリオも頑張って欲しかったけど……その前に我孫子先生が力尽きた、といった感。とにかくとにかく、惜しいのです。
　
　評価：【B+】

*1:『指輪世界』から借りた言葉。詳しくは『かまいたちの夜／看板はここに置いていきな。』を各自参照のこと。