森博嗣『毎日は笑わない工学博士たち』読了
毎日は笑わない工学博士たち (I say essay everyday)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2000/07
- メディア: 単行本
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始めたばかりということでさすがの森先生も勝手がわからないのか、それとも1996年という時代によるものか*1、わりとローカルな話題が多い感じ。名古屋トーク。『猪高の三洋堂』だのナゴヤ・フード・コーポレーション略して『ナフコ』だの言われてもわかりませんよ! と言いたいところだけど実はわかる。完全についていける。なぜなら僕は一時期名古屋に住んでたから。
『猪高の三洋堂』なんて自転車に乗って何度も行った。出たばかりの『すべてがFになる』を手に取って裏の華々しい推薦文*2見て「ここまでお薦めされると逆に引くよなー」とか言って棚に戻したりしてた。その隣に森先生が立っててもおかしくなかったわけである。すべては今から十年前。僕が物理的に中二の時分である。
ああ、と言っても地元トークばかりってわけじゃなく、一般的な話題もあるからその辺は安心してほしい。ハードボイルドの本質について訊かれ、『探求する孤独なスピリッツ』と答えていたのは非常に合点がいった。なるほど、この定義なら確かに『ハサミ男』はハードボイルドだ。『密閉教室』だってハードボイルドだし、映画の『ガタカ』なんて素晴らしくハードボイルドだ。というか僕の好きな作品は大概ハードボイルド。この定義は使っていきたい。まあ、これを許にハードボイルドが好きというと確実に誤解を招くだろうが。
あと時代が時代だけにエヴァンゲリオンについての話もあるよ。娘さんの観てた『なんたらかんたらウテナ』なるアニメに関する言及もある(!)。