今週のテニスの王子様(Genius 330 『最大の礼儀』)

 予測していたことではあるが、僕の思う「ぎりぎりのライン」(参考:id:rindoh-r:20061226)など許斐先生は一顧だにせず跳び越えてしまわれた。予測していたことではあるが。もちろん、『二拾壱式波動球』の次のページの話をしている。もう断絶もクソもない。実は夢オチとかいうことにならねーかなあオリバにヤられたゲバル風にさ*1。本当は今、四天宝寺メンバー全員集中治療室にいるんですよ。会場に来る途中に移動車が事故にみまわれて。もちろん仕組んだのは亜久津ですけど。
 そう亜久津。あの群を抜いた爬虫類フェイス、リザード・オブ・リザーズを観るのも久々ですけど、もうあの人はもう思い出すだにヤバいです。そうですね、ここで仮に、現在タカさんや石田銀が採用している、「相手の身体を剛速球で破壊して勝つ」だの「あえて剛速球を連打させることで逆に相手の腕を故障せしめて勝つ」だのといった戦型を『第一段階メタテニス』と呼称するとしましょうか。他にも無我の越前の得意とする「サムライのビジョンを見せて驚かせて勝つ」などもこの範疇に収まりましょう。これらの戦型も大概に大概で、テニスというスポーツの発展に一ミリグラムも寄与しないどころか明らかに破綻させるベクトルを含んでいるわけですが、では亜久津のテニスはどうかというと「試合で勝てなきゃ事前に事故死させれば良いじゃない」。あんな連載初期に登場しながら、既に第三〜第四段階あたりのメタテニスの使い手だったわけですよあのゲッコ族。彼がテニス界を去ったのは英断。続けていたら、四年前にはもう連載が終わっていました。
 そういうわけで、あの男が画面に現れると本当にざわざわ来てしまうんですよ僕なんかは。あの異常なテニス界で、さらにもう数段階身も蓋もない論理で動く男。夢オチはないにせよ、石田銀の腕がこんなにも早く悲鳴を上げ始めたのは亜久津が事前に何か“気を利かせた”せいではないのか。確かに師範に勝とうと思ったらもう暗殺くらいしかない気もするが。しかし──しかし!

*1:今週のバキは吐くほど面白いので読まなきゃダメだよ。完全に余談だけども。