今週のテニスの王子様(Genius 348 『風林火陰山雷』)
今週の思いつき:「『動かざること山の如し』はノックバック無効化能力ではないか」
シミュレーションRPG的には『ノックバック無効化』など如何にも地味な能力であるが、ことテニスにおいては、百八式波動球の例を見ればわかるように、一流同士の試合の趨勢を決めるのは往々にしてノックバック技である。全国優勝経験者である皇帝・真田弦一郎がこのことを憂慮しなかったはずもなく、奥義の一つとして専用の対抗策を用意することは全く自然な発想といえよう。作中では一度、VS氷帝・跡部戦において使用したらしい描写があるが、あのときは跡部伝家の多段スマッシュ・『破滅への輪舞曲』対策に用いたのだ(ラケットを吹き飛ばすのも小規模なノックバック技といえる)。
思えば『知り難きこと陰の如く』の効果が開陳された際、なんだよ対才気煥発専用技かよ、などと腐した我々であったが、再考するに、皇帝レベルのテニスプレイヤーにとっては『無我使い』もしくは『百八式クラスのノックバック使い』以外はもはや脅威になり得ないのである。まして真田は以前から九州・千歳の存在を知っていた。また昨年度の大会でも、ノックバック技は猛威を振るったことであろう。六大奥義の内二つをそれらの対策に使い切ることは、全国を識るものにとっては当然といえば当然すぎる処置だったのだ。このあたり、真田に一日の長を感じる次第である。
あともう一つ、さらに掴みどころのない白昼夢について語らせてもらえば、真田敗北のシーンは白面の者消滅のような感じになるだろうと直観している。死に際に『風林火陰山雷』最後の一つを使うのである。
真田「誰か、我が名を呼んでくれ……」
真田「我が名は 皇帝に あらじ」
パァァ(『風林火陰山雷』最後の一つ発動)
菊丸「皇帝は……赤ちゃんになりたかったのかな……」
手塚「わかんねえ……」
手塚「だが……いい散り様だったな……」
あれ、そういえば全然今週の感想じゃない。