またも仲良し敵対者構造 / 奈須きのこ『空の境界(上)』読了

空の境界 上 (講談社ノベルス)

空の境界 上 (講談社ノベルス)

 だ、だめだ……。おれ、奈須先生の御本は、やっぱり、だめだ──。
 何度言ったかわかりませんが、キャラを立たせるために「そいつのヤバさ」を敵対者に延々語らせるメソッドは禁止です。特に地の文。理由が精神的なものであればあるほど却下。
 俺、下巻読むのかなあ。ここで投げ出したら払ったコストが無に帰す、という貧乏根性と、いや、サンクコストを考慮に入れると選択を誤るぜ……という理性さんとのせめぎあいである。
 評価:【C】
 
 しかし、気になるのは『月姫』と『Fate/stay night』だ。これらをプレイしたのは結構前なので、確信を持っては言えないのだが、こうまでひどくはなかった気がする。というかそれなり以上に楽しめていたはずなのだ、僕は。『DDD』といい、駄目な奈須先生は紙媒体に限られている。ように思える。
 ここらへん、小説とノベルゲームの表現域の違い、みたいなものが絡んでくるのかな。ひぐらしの紙媒体版はどうなんでしょう。
 ……ああ、でも単純に、視点人物の差のような気がしてきたぞ。『月姫』の遠野くんといい、『Fate』の衛宮くんといい、巻き込まれ型一般人としての性質が強いので、あんまり知った風な口を利かなかった、のかな。うろ覚えだが。そこらへんの差が大きいかも。
DDD 1 (講談社BOX)

DDD 1 (講談社BOX)