せめて一試合くらい一必殺技で切り抜けろ

「お、お、お」
「お?」
「お――終わりか! 終わるのか! 『おれはキャプテン』! 通称『おれキャプ』!!」
「……ああ。そいや君、ベタ誉め(2004/11/18)してたね」
「まったく、いつもこうなんだ……気に入った奴らはみんな、僕より先に死んでいく……」
「死んだら世界は終わるという見地に立てば、確かに、君より後に死ねる道理はないな」
「ううう」
「まあまあ。終わりと言っても完全に打ち切りってわけではないだろう? ほら、マガジンSPECIALで続きをやるって」
マガジンSPECIALって……マガジンSPECIALですよ? マガスペですよ? 左遷じゃん。島流しじゃん! 更に言うならDreams扱いじゃん!! およよ」
「泣くな少年。所詮はマガジン、ヤンキー雑誌を信じた僕らが馬鹿だった。ジャンプ読もうぜ、ジャンプ」
 しかし僕らは知っている。ジャンプの編集方針だって、充分信じられないことを。信頼なんて、この世に一つもないことを――。
「奴らの審美眼はシャーマンキングを殺し、Mr.FULLSWINGを生かした。それを忘れるな」
週刊少年ジャンプ53号感想>
 ◆ムヒョとロージーの魔法律相談事務所
 お、こいつが連載開始か。確かにこないだの読み切り祭りの中じゃ一番面白かったからな……と期待して読むも、ちょいと残念。絵は綺麗になっているのだが、お話が単純化している。前回の読み切りでは『いじめっこを助けたらストーカーになちゃった』という、誰かに明確な非があるわけではない、上品な気持ち悪さみたいなのがあって、そこが高ポイントだったのだが……。
 にしてもこの短編向きな話を連載作品化するにあたって、今後どのようなテコ入れがなされ、どのような歪みが生じるのか、なかなか興味深いところである。『依頼人に二度と会ってはいけない』というルールも首を絞めそうだし。
 ◆NARUTO
 『木の葉の黄色い閃光』『木の葉の白い牙
 ……なんだろうなんだろう。黄色という形容詞はあまり強くなさそうだとか、牙は普通白いから形容詞の意味がないとか、そういった言語化の可能なものなのか、この感覚は……。
 ◆武装錬金
 キャプテン・ブラボーが四位なあたり、ああわかってらっしゃるなあという感じ。応募総数二万通というのは予想外に多いと思うが、これは安泰と考えて良いのだろうか。
 ◆DEATH NOTE
 なにこれ、紙芝居?(ここんとこずっと)
 一コマの台詞量が尋常ではない。その様はあたかも料理に解説を施す海原雄山の如しである。
 ◆Mr.FULLSWING
 「魔球Xが駄目なら……食らえ魔球ダブルX!!」
 マガジンではおれキャプが死に、ジャンプではミスフルが生きる。思い通りにいかないのが世の中だ。割り切れ。