あれ、そういえばバイキングホーンの説明ついになかった?

 今年度のサークルの新人諸君にはジャンプ読みが多いようで、ジャンプ一筋十五年(リアルで引く数字だ)の私にとっては大変喜ばしいことなのだが、一つ残念なことがあった。いくらか話をしてみたところ、つい最近まで高校生であった彼らにおけるテニスの王子様リテラシーはあまり高いとは言えないようなのだ。シャーマンキングの時にも言ったが、「どうせ腐女子ウケ漫画でしょ」という判断で途中で見限ってしまったのだとしたら勿体ない話である。腐女子人気なんてもうとっくに下火ですよ。アニメも終わったわけで、今こそ我々が正しく評価し、盛り立てていかねば、こんな奇跡のような漫画が打ち切りの憂き目に遭わないとも限らない。
 テニスの王子様の面白さについて熱弁していると(「分身して一人でダブルスするんだよー」「その対戦相手はラケットをアバンストラッシュ持ちして闘うんだよー」)、ああ、逆に面白いって奴ですね、などと言われたりするのだが、その判断も少し的を外しているように思う。我々はテニスの王子様トンデモ本の類として評価しているわけではない。あの作品の持つ常軌を逸した魔性の発想とそれに基づく歪んだ表現、脳を直接揺さぶり(そう、アヤ・エイジアのように!)、圧倒的かつ中毒性のある酩酊感を引き起こすそれを、極めて真っ当に評価しているのだ。面白さの種類としてはジョジョやバキ、もしくは全盛期の蒼天航路あたりに通じるものがあるかもしれない。
 ま、そんなんで、久しぶりにジャンプ感想である。
週刊少年ジャンプ25号感想>
 ◆ONE PIECE
 突如現れた謎のヒーローには笑いを通り越して感動の念すら覚えてしまった。
 そげキングってなに? ゲソ? とか一瞬思いましたが、“狙撃の王様”そげキングか。大好王と書いてダイスキングみたいなものか。
 しかしこの三人パーティは素晴らしい。何せ他二名がタフだけが取り柄のサイボーグと狙撃の王様だ、サンジさんがものすごく頼もしく見えるよ。まあ、部下を率いてNGLに潜入したポックル程度にはだけど。
 ◆テニスの王子様
 比嘉中に対して三連勝ってのは結構驚いた。菊丸先輩、そこは普通負けるところじゃないかな……大石副部長の立場がないよ。
 でも考えてみれば、青学が最終試合まで追いつめられたのって氷帝戦と立海戦くらいしかないんだよね。不動峰戦で敵リーダー・橘まで回らずに決着ついたり、逆に不動峰氷帝相手に三連勝で跡部の出番がなかったり、色々新しいことをやっている(最近読み返したので詳しい)。
 さ、いよいよ次回はメガネ対決。手塚部長のガチ試合なんて、全編通してこれで二回目だ。“殺し屋”キテレツの異名にはまた故障の予感がひしひしするが――次号必見。
 ◆HUNTER×HUNTER
 イカルゴが紹介するモグリの医者ってのが既に蟻に捕食済みのレオリオだったらどうしようとか考えた。イカルゴとレオリオ、気が合いそうだし。このまま一生出番なしとどっちが不幸と言えましょう。
 ◆ユート
 武装錬金ワークワークが抜けたら今度はユートが最下層民に。
 この漫画の楽しみ方ってのが最近ようやくわかってきて、それはユートくんの社会性のなさ(ゆっくり走ろうね→全力滑走、「ショートトラックなんかじゃなくて」など。現代っ子らしさを嫌味じゃないレベルで風刺的に描いている)と、そうなるのも仕方がない家庭環境の寒々しさ(お父さん……)を眺めてしみじみする、といった感覚で、そこらへんの演出は実に丁寧に施されてると思うんだけど、確かにこんなもの小学生に受けるわけがない。話の落とし所に結構興味があるので、軽々しく打ち切られないことを望むが……。