浦賀和宏『透明人間』読了

透明人間―UBIQUITY (講談社ノベルス)

透明人間―UBIQUITY (講談社ノベルス)

 やーい島荘ー。島田荘司主義ー。(大鑑巨砲主義的な意味合いで)
 いや、実際のところ島田主義はフェイクなのだが、物語の95%がそのノリで進むため(そういえばそのものズバリ『透明人間の納屋』なんて作品もあったな。あのノリだと考えてくれれば良い)、ついていくこちらの身にもなれって話だ。最後のどんでん返しのために95%を犠牲にしても良いのか問題。
 あと単純な話、僕は浦賀先生の描く内省的な女の子主人公が駄目なのかもしれない。『時の鳥籠』しかり『ファントムの夜明け』しかり。作品自体が内省的なので、語り手はちょっとDQN入ってるくらいがバランス取れて良い感じなんだよね。その点『彼女は存在しない』は成功してた。『学園祭の悪魔』も悪くない。
 
 評価:【B】