週刊少年ジャンプ4/5合併号感想

 ◆NARUTO(ナンバー336:一転、窮地…!!)
 今週のナルトは面白いのでは? 珍しくちゃんと頭を使っているのでは? と友人にメールを出してみたところ「モルダーあなた疲れてるのよ(大意)」という返答を頂いた。まあ確かにね。冷静に読み返してみたら雑な作戦だよね。

シカマル「まず我が『影真似の術』は 『おまえの影を縛る』! おまえは逃げられなくなる」
「次に『間違って角都の血を飲ます』! もはやジャシンの術は効かなくなる」
「そしてそこでその心臓とともに 間違って角都を刺し殺させると予告しよう!」
読者「なるほど完璧な作戦っスねーっ 不可能だという点に目をつぶればよぉ〜」

 間違って角都の血を飲ませるあたりが相当不可能。やるにしてもいちかばちかレベルの作戦としてであろう。他にいくつも足止め用の策があって、それらをすべて破られたところで最後の手段として仕方なく使う、くらいが妥当なところ。これを自信満々でメインに据えるのはやっぱり厳しい。
 というか根本的な話、飛段の念能力に制約多すぎテラワロス問題というのがあってだな。能力を使わずに普通に戦われてたらシカマルは死んでいたという。まあ趣味の能力だろうから仕方ないのだが。
 ◆重機人間ユンボル(第2工程 復活のプリンセス)
 いやあ、やっぱり好きだなあ。

  • 「爆ダム宣言」ってやつだぜ
  • 人質だもの
  • さようならオレの町 さようなら──ッ!!!
 この辺りの台詞がいちいち楽しい。なんでこんなに楽しいんだろう。信者だからかな。信者だからか。
 しかし最後に現れた第二のユンボル(早いな!)のビジュアルのキモさに三分の不安。博士番長の傍らにいた二人のうちの姫じゃない方(というか片方が姫だというのも驚きだが)が彼ってことかな。
 ◆家庭教師ヒットマンREBORN!(標的127 守護者復活!)
 ……じゃあみんな銃を使えば良いのでは?
 ◆テニスの王子様(Genius329 青学のお荷物)
  • 「もはや人知を越えた石田の波動球!」
 名アオリです。まったく大げさなところなく、そうとしか言いようがありません。また一段、テニスが上ってはならない階段を上りやがったと思いましたよ今週は。タカさんも 月までブッ飛ぶ この衝撃…!
 いやね、これまでだって桃ちゃん先輩は目測で五メートルは跳んでたし、極限まで追い詰められたダブルスは宙に浮くし、というかそもそもオーラとかあった。今さら一つ一つ挙げるまでもなく、本当に色んなことがありました。でもこれらはまだギリで目の錯覚の範疇というか、もしくは当事者同士で“言ってるだけ感”てのが常にあったと思うんですよテニスには。「オレは心を読める」「オレは心を閉ざせる」って言い張ってるだけみたいな。それが今回、タカさんはコートから観客席中腹というすごい具体的な距離を飛んでしまいました。明快です。かつてなく、そしてこの上なく明快な形での物理法則への挑戦です。もう本当に引き返せない。言うなれば、手塚メテオがイメージ映像ではなく実現象として降ってきたようなものです。
 そういうわけで今週は、激しく笑いながらもこれは結構ぎりぎりだよなあ、と思いました。同時に、僕がアニメのテニスをあまり好かない理由もわかった気がします。今回の話をぎりぎりのところで成立させているのって、許斐先生のキングクリムゾンだと思うんですよね。「タカさんが吹っ飛ぶコマ」と「タカさんが観客席で寝てるコマ」間の断絶のおかげ。これがもし動画で、間にある「空中を二十メートルくらい飛ぶタカさん」を描いてしまったら、これはもう100%ファンタジーになってしまうのですよ。それではいけません。現実と幻想のシームレス感、すなわちマジック・リアリズム、それこそがテニスのテニスたる所以なのですから……!
  • 「銀は波動球を無効化出来るでぇ」
 もう一つだけ。ええ、本当に意味がわからなかったんですけど、その、普通の打球になって帰ってきたのなら普通に打ち返せば良いのでは……? それともこうですか、このシーンも断絶のせいで繋がりが不明なんですけど、「タカさんの打った波動球が石田銀の元に届く頃には普通の打球になっていた」という本格的な念能力ですか。だとしたらさらに新たな階段。