樺山三英『ジャン=ジャックの自意識の場合』読了

ジャン=ジャックの自意識の場合

ジャン=ジャックの自意識の場合

 にぎゃー、さっぱりついて行けなかった。幻想小説技能がレベル2くらいは必要。この分野は全然鍛えてこなかったんだよなあ。それにしたって、ここまで手も足も出ない読書体験は久しぶりだぜ……!
 最終章付近では一応、この物語世界の在り様についての説明が試みられ、多少の安心は得られるのであるが、そこまで僕のライフが持たなかった感じである。まあ、安心を求めて読むような小説ではない、ということか。
 
 追記:
 寝る前にちょっと読み返してみた。

「女の子のおちんちんは、お腹のなかについてるの」

 この言葉を元に、では男の子の子宮は、お腹のそとについてるの、という方向に展開する(序盤からこの剛速球)。
 なるほど、雰囲気小話かと思ってたものが結構露骨に真相(というかなんというか)を表していたのだな。少しはとっかかりが掴めた気がした──が、この「判った気にならないと楽しんだ気になれない」っていうのはどうなんかなー。未熟な読み方のようにも思える。……が、ここを否定し始めてしまうとな。かなり大胆に流派を変える必要が出てくる予感だ。

 評価:【C+】