秋田禎信『我が胸で眠れ亡霊』読了 / オーフェン再読(03)

 三巻め。初めて読んだときにはこの巻あたりからはまり始めた記憶があるな。とにかくオーフェン強えーという回なので(中学生の時分だもの、仕方ないじゃないか)。「現在の仲間」を傷付けられたことから「過去の自分」の力を引き出して戦う、という流れは要するに緋村抜刀斎であり、今読み返すとちょっと恥ずかしいが、しかしそれが二重人格的な感じではなく、「なろう」と思ってなっているところはやや渋い。
 ただ、それにしてもクリーチャーってのはな。基本的にわけのわからないものは出てこない、魔術に出来ること・出来ないことのはっきりしたオーフェン世界にこういうのが出てくると違和感あるよな。“転移の魔術の応用で〜”とか、人間の魔術士によるものとしては明らかにオーバーテクノロジーだ。ここらでオーフェンの戦闘能力を見せておく必要がある→しかし人間相手だと派手な魔術は使えない(当たると死んじゃうので)→とはいえドラゴン種族相手だと派手な魔術も通用しない→間を取ったそこそこに強い何かが必要、という事情は読み取れるが……むう。
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 あと、事情を聞いたオーフェンがヒリエッタに掛ける言葉。

「少し……思い詰めすぎなんじゃねえのか?」

 キーワード「思い詰めすぎ」がここでも登場。今度はオーフェンから他へと向けた言葉として。戦闘時に“キリランシェロ”に戻りつつも、それでも一巻の時点(http://d.hatena.ne.jp/rindoh-r/20080907/p1)とは違うんですよ、ということをここで確認するわけだな。