秋田禎信『愛と哀しみのエスパーマン』感想
- 作者: 秋田禎信,渡真仁
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2005/10/20
- メディア: 文庫
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ヒロインのひととその周辺が、正義のヒーロー的な存在を総称して漠然と“マン”と呼んでいるのがそこはかとなく不思議だった。どこから湧いてくるんだろうかこういう言語感覚は。
「教子、聞いてっ! 大変なの!」
(中略)
「悟くん……悟くんはマンだったの!」
「人知れず敵と戦ってたの! これってマンでしょ!?」
「悪いけど言ってることが分からない」
「なんで!?」
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主人公が真に幸福になれば超能力は消える。ので、最後はそこらへんに落とすのかなあと予測し実際そのように落ちかけるのだが、そこで主人公のエスパー仲間の先輩が言う台詞が凄かった。主人公は哀しみのエスパーマン。幸せになったらもう超能力は使えない? いや。
「なにを言うか!
! !」
全体的に頭の軽い話の中で、その中でも特に頭の軽いエスパー先輩が、たまにこういう真理めいたことを言うのがたまりませんなあ。