そろそろ次のハコワレ算をしておくか(HUNTER×HUNTER・No.285『分身』)
5分3秒経過時点での貸付オーラ量を5110(「5分で7000オーラ」はナックルの計算間違いと判断)、ナックルの攻撃を1回300オーラと仮定した場合、以下の通り。
- 5分4秒頃:ナックル8回攻撃、5110+300*8=7510オーラ
- 7分23秒:14回複利、7510*1.1^14=28519オーラ(小数点以下は四捨五入*1)
- 7分29秒:ナックル1回攻撃、28519+300=28819
しかしこうしてみると、「ユピーをわざと爆発させてオーラを消耗させよう作戦」はリスクのわりにかなり不毛気味であることがわかる。たとえばユピーの元々の潜在オーラ量が100万だった場合、ものすげー頑張って30万オーラを消費させて70万にしたところで、上記の通り複利回数にして3回、つまり30秒の稼ぎにしかならなのである。これは複利計算の構造上どうしようもない。
また、「殴って追加で貸し付け」も、ある程度貸付額が膨らんだあとでは、これまたリスクほどの効果がない。10秒待てば3000オーラ膨らむ状態で、300追加で貸し付けることにいかほどの意味があるのか? 10発殴って3000貸し付けて、ようやく10秒相当の稼ぎである。
以上のことを考えると、ハコワレは発動後しばらくしたら、(トぶまでの時間を短縮させるためには)ナックルにやれることはほぼないのである。となると逃げる・隠れるが最善手。これって、漫画的には扱いづらい能力だと思う。ナックルから積極的に戦う動機を奪ってしまう。
しかしげに恐ろしきは冨樫先生で、たぶん先生自身、この欠陥にはあとから気づいたんだと思うんだよね。「あ、ナックルやることねえ」って。その上ですかさず「理に合わない戦いに身を投じるナックル」というドラマに繋げてみせた、と。「頼む、ナックル……!」の回は元より一週間で10回読んだくらい好きだったけど、そう考えてみると余計に凄い回だったよなーと思えてくる。